【第19回公募開始】小規模事業者持続化補助金<一般型>の徹底解説と申請のポイント
お知らせ
2026年1月28日、中小企業庁および補助金事務局より「小規模事業者持続化補助金<一般型>」の第19回公募要領が公開されました。
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本補助金は、販路開拓や生産性向上に取り組む小規模事業者にとって、非常に使い勝手が良く、かつ重要な資金調達手段の一つです。しかし、公募のたびにルールや様式、スケジュールが変更されるため、最新情報の把握が欠かせません。
今回は、第19回公募の詳細な内容、前回からの変更点、そして採択を勝ち取るためのポイントについて、行政書士の視点から詳しく解説します。
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1. 第19回公募のスケジュールと基本情報
まずは、最も重要なスケジュールを確認しましょう。今回の公募は申請受付期間が比較的短いため、早めの着手が採択への第一歩です。
【第19回公募 スケジュール】
• 公募要領公開: 2026年1月28日(水)
• 申請受付開始: 2026年3月6日(金)
• 事業支援計画書(様式4)発行の受付締切: 2026年4月16日(木)
• 申請受付締切: 2026年4月30日(木)17:00
• 採択発表予定: 2026年7月頃
• 補助事業実施期間: 交付決定日 ~ 2027年6月30日(水)
行政書士からの注意点:
特に注意が必要なのは、「事業支援計画書(様式4)」の発行依頼締切(4月16日)です。
この補助金は、商工会または商工会議所の支援を受けて計画書を作成・確認してもらうことが必須要件となっています。
申請締切(4月30日)ギリギリに商工会等へ相談に行っても、発行が間に合わず申請自体ができなくなるリスクがあります。
余裕を持って、遅くとも3月中には商工会・商工会議所への初回相談を済ませるスケジュールを組みましょう。
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2. 補助金の概要と補助上限額の仕組み
本補助金の目的は、小規模事業者が直面する制度変更(賃上げ、インボイス制度導入等)に対応し、持続的な経営に向けた経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みを支援することにあります。
■補助対象者
常時使用する従業員数が以下の基準を満たす法人または個人事業主です。
• 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):5人以下
• 宿泊業・娯楽業:20人以下
• 製造業その他:20人以下
■補助率と補助上限額
基本の「通常枠」に加え、「特例」の要件を満たすことで補助上限額が大幅に引き上げられます。
• 基本の補助率: 2/3
• 赤字事業者の補助率: 賃金引上げ特例申請者のうち赤字事業者は 3/4
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申請類型
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補助上限額
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要件の概要
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通常枠
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50万円
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基本的な販路開拓の取り組み
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インボイス特例
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100万円
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免税事業者が適格請求書発行事業者へ転換する場合(+50万円上乗せ)
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賃金引上げ特例
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200万円
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事業場内最低賃金を申請時より+50円以上とする場合(+150万円上乗せ)
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両特例の併用
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250万円
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上記両方の要件を満たす場合(+200万円上乗せ)
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【重要】インボイス特例について
2021年9月30日から2023年9月30日の間に一度でも免税事業者であり、インボイス登録を行った事業者が対象です。インボイス制度への対応で負担が増えている事業者様は、ぜひ活用をご検討ください。
【重要】賃金引上げ特例について
事業場内最低賃金を地域別最低賃金より「+50円以上」かつ「申請時より+50円以上」に引き上げる計画が必要です。特に業績が赤字の事業者の場合、補助率が3/4に引き上げられるという強力なメリットがあります。設備投資の負担を大幅に軽減できるチャンスです。
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3. 補助対象となる経費
補助金はどんな経費にも使えるわけではありません。「販路開拓」や「業務効率化」に直結する経費が対象となります。
■主な対象経費科目:
1. 機械装置等費: 製造機械、ショーケース、移動販売車(車両本体など汎用性があるものは不可)などの購入費。
2. 広報費: チラシ、カタログ、看板、DM、Web広告などの費用。
3. ウェブサイト関連費: HP制作、ECサイト構築、システム開発費など。
◦ 注意: ウェブサイト関連費のみでの申請は不可。また、補助金交付申請額の1/4(最大50万円)が上限となります。
4. 展示会等出展費: 出展料、通訳費など。
5. 旅費: 販路開拓のための出張費。
6. 新商品開発費: 試作品開発に伴う原材料費、パッケージデザイン費など。
7. 借料: 機器のリース・レンタル料(事務所家賃は原則対象外)。
8. 委託・外注費: 店舗改装工事、専門家への業務委託など。
経費計上のポイント:
パソコンやタブレット、一般事務用品など、汎用性が高く目的外使用が可能なものは対象外です。また、クレジットカード払いは事業期間内に引き落としが完了している必要があるため、支払時期には十分な注意が必要です。
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4. 審査を有利に進める「加点」要素
持続化補助金は競争倍率のある補助金です。採択されるためには、審査で高い評価を得る必要があります。「加点項目」を積極的に取り入れることで、採択の可能性を高めることができます。
主な加点項目(第19回):
1. 赤字賃上げ加点(重点政策加点): 賃金引上げ特例を申請する赤字事業者に適用され、優先的に採択されます。
2. 事業環境変化加点(重点政策加点): 物価高騰等の影響を受けている事業者が対象です。
3. 東日本大震災加点(重点政策加点): 福島県12市町村の事業者や、ALPS処理水の影響克服に取り組む水産関係者等が対象です。
4. くるみん・えるぼし加点(重点政策加点): 「くるみん認定」や「えるぼし認定」を受けている事業者が対象です。
5. 賃金引上げ加点(政策加点): 事業場内最低賃金を+30円以上引き上げる計画の場合に加点されます(特例の+50円とは基準が異なります)。
6. 事業承継加点(政策加点): 代表者が満60歳以上で、後継者候補が中心となって事業を行う場合。
7. 令和6年能登半島地震等に伴う加点(政策加点): 指定地域(石川・富山・新潟・福井)において、地震や豪雨による直接的・間接的被害を受けた事業者が対象です。
戦略的な選択を: 加点は「重点政策加点」と「政策加点」からそれぞれ1種類、合計2種類まで選択可能です。自社の状況に合わせ、最も有利かつ実現可能な組み合わせを選ぶことが重要です。
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5. 申請手続きの完全電子化と「GビズID」
本補助金の申請は、電子申請システムでのみ受け付けられます。郵送での申請は一切不可ですのでご注意ください。
申請には「GビズIDプライム」アカウントの取得が必須です。 アカウント発行には申請から数週間程度かかる場合があります。「まだIDを持っていない」「パスワードを忘れた」という方は、今すぐ手続きを行ってください。暫定アカウントでは申請できません。
申請の流れ:
1. GビズIDプライムの取得。
2. 経営計画書・補助事業計画書の作成。
3. 地域の商工会・商工会議所へ「事業支援計画書(様式4)」の発行依頼(面談等あり)。
4. 電子申請システムにて書類アップロード・データ入力。
5. 締切日時までに送信完了。
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6. 行政書士が教える「採択される計画書」の書き方
審査は「基礎審査」と「計画審査」の観点で行われます。単にやりたいことを書くだけでなく、審査員(中小企業診断士等)に「この事業なら成功する」「補助金を出す価値がある」と思わせる論理的な構成が必要です。
審査のポイント(計画審査):
1. 自社の経営状況分析の妥当性:
自社の強み・弱み、市場の動向を客観的なデータや具体的な事実に基づいて分析できているか。
2. 経営方針・目標と今後のプランの適切性:
分析した強みを活かし、ターゲット顧客のニーズを捉えたプランになっているか。
3. 補助事業計画の有効性:
計画は具体的で実現可能性が高いか。デジタル技術の活用や、新しい価値を生み出す工夫があるか。
4. 積算の透明・適切性:
経費の積算根拠(見積もり等)が明確で、事業遂行に真に必要なものか。
特に「補助事業計画」では、「誰に」「何を」「どのように」販売・提供するのかを具体的に描写することが重要です。写真や図表を活用し、視覚的に分かりやすい計画書を作成することをお勧めします。
また、過去に持続化補助金に採択されたことがある事業者は、過去の事業と明確に異なる新たな取り組みであることを示す必要があります。過去の実施回数に応じて段階的な減点調整が行われるため、より質の高い計画書が求められます。
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7. 採択後の義務と注意点
補助金は「採択されたら終わり」ではありません。交付決定後の事業実施、実績報告を経て初めて入金されます。また、以下の義務を遵守する必要があります。
• 事業効果報告:
補助事業終了から1年後に、事業の効果や賃上げ状況などを報告する義務があります。これを怠ると、将来の補助金申請ができなくなる可能性があります。
• 賃上げ未達時のペナルティ:
賃金引上げ特例や加点を利用して採択されたものの、結果的に賃上げ要件を達成できなかった場合、将来の他の中小企業庁所管の補助金申請において大幅な減点措置が取られます。安易な特例申請は避け、確実な計画を立てましょう。
• 証拠書類の保存:
事業関係書類は事業終了後5年間の保存義務があります。会計検査院等の実地検査が入る可能性もあるため、経理処理は適正に行いましょう。
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まとめ:専門家活用のすすめ
第19回小規模事業者持続化補助金は、最大250万円の補助に加え、赤字事業者への優遇措置など、厳しい経営環境にある小規模事業者にとって大きなチャンスです。
しかし、要件は複雑化しており、特に電子申請や計画書の作成には専門的な知識と労力を要します。「通常業務が忙しくて計画書を書く時間がない」「自分の事業が加点対象になるか判断できない」「GビズIDの取得からサポートしてほしい」といったお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ行政書士にご相談ください。
当事務所では、事業内容のヒアリングから経営計画書の作成支援、電子申請のサポートまで、採択に向けた伴走支援を行っております。
【お問い合わせ】
第19回公募の締切は2026年4月30日です。 商工会等の手続きを考慮すると、準備期間は実質2ヶ月程度しかありません。 まずは、お早めにお問い合わせください。お客様の事業のさらなる発展を、全力でサポートいたします。
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※本記事は2026年1月28日時点の公募要領(第5版)に基づいています。申請時には必ず最新の公募要領をご確認ください。



