仕事中の熱中症は労災になるの?
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連日のように熱中症注意報が報道されています。
総務省消防庁は24日、熱中症とみられる症状で7月16~22日の1週間に全国で2万2647人(速報値)が搬送されたと発表し、集計を始めた2008年以降で最多となっているとのこと。
「熱中症」は、高温多湿な環境の中で作業や運動をすることにより、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がたまることによって、めまいや筋肉痛、吐き気、さらには、けいれんなどを起こす病気です。
屋外だけでなく、室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては 死亡することもあります。
熱中症の予防のためにWBGT値を活用したり、労働衛生教育によって、 労働者のための 熱中症予防対策を行いましょう。
それでも万一、仕事中に熱中症になった場合どうなるのでしょうか?
労働契約法第5条において、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と使用者に安全配慮義務を課しています。
判断が難しい熱中症が労災として認定されるには、次の一般的認定要件または医学的診断要件のいずれかに該当していることが必要です。
1.一般的認容要件
① 仕事をしている時間帯や場所に、熱中症となる原因があること(当日の気温・作業環境など)
② その原因と熱中症との間に因果関係があること(症状や発症までの時間など)
③ 仕事と関係ない、他の原因によって発症したものでないこと(持病などではない)
この3つの条件を満たすことで、熱中症が労災として認められます。
2.医学的診断要件
① 作業の内容、温度や湿度等の作業環境
② けいれんや意識障害等の有無、体温の測定
③ 脳貧血や、てんかん等による意識障害との判別
この医学的要件は簡単に言えば、医師によって「熱中症である」と診断された事実のことです。
一般的認定要件は表現がわかりづらいのですが、仕事をしている時間・場所が熱中症を引き起こす明確な原因が存在していること、その原因により熱中症に至ったという因果関係があること、仕事に関係しない他の原因により発症したものではないことに該当するかということになります。
まずは熱中症にならないように、日ごろの体調管理を心がけましょう。
<参考資料>
職場における熱中症死傷者数(平成25年から平成29年)
平成25年 | 平成26年 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | |
職場における 熱中症死傷者数 (人) |
530 | 423 | 464 | 462 | 528 |
上記のうち、死亡者数(人) | 30 | 12 | 29 | 12 | 16 |
※出展:厚生労働省ホームページ STOP!熱中症 クールワークキャンペーン(職場における熱中症予防対策)