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個人事業主の事業所が社会保険の「任意適用事業所」になるための手続き

お知らせ 

従業員を雇う個人事業主の方が、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に任意で加入するための要件と申請の流れを解説します。
従業員数が5人未満の個人事業所や、飲食業・サービス業などの一部業種を営む個人事業主の事業所は、法律上は社会保険(健康保険・厚生年金保険)への加入義務がありません。しかし、「求人でよい人材を確保したい」「従業員の福利厚生を充実させたい」といった理由から、義務がなくても社会保険に加入したいというご相談を数多くいただきます。
このように、本来は加入義務のない個人事業所が、任意に手続きを行うことで社会保険の適用を受けられるようになる制度を「任意適用事業所」といいます。今回は、任意適用事業所になるための要件と、実際の申請手続きについて順を追って解説します。


1. 「強制適用事業所」と「任意適用事業所」の違い

個人事業所が社会保険に加入する形には、次の2つのパターンがあります。

区分 内容
強制適用事業所 法定16業種に該当し、常時使用する従業員が5人以上いる個人事業所。法律上、加入が義務づけられている。
任意適用事業所 上記に該当しない個人事業所(従業員5人未満、または農林水産業・飲食店・理美容業・弁護士や社労士等の士業といった適用除外業種)。加入するかどうかは事業主の任意。

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なお、法人事業所は代表者一人であっても強制適用事業所となりますが、個人事業所の場合はこの区分により扱いが異なる点が特徴です。

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2. 任意適用事業所になるための要件

任意適用事業所として認可を受けるためには、主に次の2つの要件を満たす必要があります。
(1)従業員の2分の1以上の同意
その事業所で働く、社会保険の被保険者となり得る従業員(おおむねフルタイムで働く従業員)の半数以上から、加入についての同意を得る必要があります。たとえば従業員が4人であれば、2人以上の同意(署名)が必要です。
(2)事業主本人の資格要件
任意適用の認可を受けても、個人事業主本人(事業主)は原則として厚生年金保険・健康保険の被保険者にはなれません。事業主は引き続き国民年金・国民健康保険の加入者のままとなり、社会保険に加入できるのは雇用している従業員のみである点に注意が必要です。


3. 申請に必要な主な書類

任意適用の申請では、強制適用事業所の新規適用手続きに比べて添付書類が多く、審査も慎重に行われます。主な必要書類は以下のとおりです。
・ 健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書
・ 健康保険・厚生年金保険 任意適用同意書(対象従業員の署名入り)
・ 事業主の住民票謄本(世帯全員が記載されたもの・発行から90日以内)
・ 事業所所在地を確認できる書類(賃貸借契約書の写しなど。事業主の住所と事業所所在地が異なる場合)
・ 事業主本人の公租公課の納税証明書・領収書の写し(直近1年間、未納・滞納がないことを証明するもの。所得税・事業税・市町村民税・国民年金保険料・国民健康保険料の5種類)
・ 開業直後などで納税実績がない場合は、直近数か月分の通帳の写しなど資力を確認できる書類

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住民票や納税証明書・領収書は、コピーではなく原本の提出が求められます。書類に不備があるとその場で返戻され、認可がさらに遅れる原因になるため、事前に管轄の年金事務所へ必要書類を確認しておくことをおすすめします。

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4. 申請から適用開始までの流れ

1. 対象となる従業員から任意適用同意書への署名を集める(2分の1以上の同意)
2. 申請書・添付書類一式を準備する
3. 事業所を管轄する年金事務所へ提出する
4. 日本年金機構による審査(通常2~3週間程度)
5. 認可が下り、認可日をもって社会保険の適用事業所となる

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従業員の資格取得日は、提出日ではなく日本年金機構が認可した日となります。たとえば10月1日に申請書を提出しても、実際の認可日が10月中旬以降になることも珍しくなく、認可が下りるまでの間は社会保険の給付を受けることができません。余裕をもったスケジュールで手続きを進めることが大切です。

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5. 任意適用事業所になる際の注意点

・ 認可後は、加入要件を満たす従業員(適用除外者を除く)は本人の意思にかかわらず全員が加入対象となります。
・ いったん任意適用事業所となった後に加入をやめる(任意脱退する)場合も、従業員の4分の3以上の同意を得たうえで、改めて年金事務所への申請と厚生労働大臣の認可が必要です。
・ 保険料は労使折半となるため、事業主側の保険料負担が新たに発生します。加入前に保険料額の試算をしておくと安心です。


まとめ

個人事業主の事業所が社会保険の任意適用を受けるには、従業員の同意や多くの添付書類の準備が必要となり、法人の新規適用に比べて手続きの難易度が高いのが実情です。書類の不備による差し戻しを避け、スムーズに認可を受けるためにも、申請前の段階から社会保険労務士に相談しながら準備を進めることをおすすめします。
当事務所では、任意適用申請書類の作成から従業員への説明、年金事務所とのやり取りまで一貫してサポートしております。任意適用をご検討の個人事業主の方は、お気軽にご相談ください。

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