【令和8年度・第2回】中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業とは?対象要件・助成率・申請の流れをわかりやすく解説
お知らせ
原油をはじめとする原材料価格の高騰が続くなか、東京都中小企業振興公社は、中東情勢の緊迫化に伴うコスト上昇の影響を受ける都内中小企業を対象とした緊急助成金「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業(第2回)」の申請受付を開始します。本記事では、制度の概要から申請要件、対象経費、スケジュールまでを整理してご紹介します。自社が対象になるかどうかの判断や申請書類の準備でお悩みの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。
1. 制度の概要
本事業は、中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇が招く原材料・燃料・物流費の高騰について、価格転嫁が進みにくい中小企業の収益悪化を緊急的に支援する制度です。原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた設備・システムの導入等に要する経費の一部が助成されます。
対象となる取組の例としては、塗料等の使用量を削減する機器の導入、不良品を早期発見し歩留まりを向上させる検査装置の導入、代替素材を活用した新商品のPRのための展示会出展、在庫ロスを削減する発注管理システムの構築などが挙げられています。一方、既存事業との関連性が薄い取組、法令改正への対応など義務的な取組、単なる老朽設備の更新や原材料の代替のみを目的とした取組は対象外です。
2. 助成金の概要
| 対象者 | 東京都内で事業を行う中小企業者(個人事業主を含む) |
| 助成対象経費 | 原材料高騰の影響を回避する取組に係る事業計画書を作成し、審査で認められた経費 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最大1年間 |
| 助成率 | 助成対象経費の4/5以内 |
| 助成限度額 | 2,000万円(千円未満切捨て) |
| 申請受付期間 | 令和8年9月1日(火)14時 ~ 9月30日(水)16時 |
| 書類審査 | 令和8年10月~ |
| 面接審査 | 令和8年11月下旬~12月上旬(いずれか1日、1時間程度) ※助成金交付申請額100万円以下は書類審査のみ |
| 交付決定日 | 令和8年12月25日(金)予定 ※100万円以下の申請は11月30日(月)予定 |
対象となる法人格について
募集要項上、「中小企業者」とは株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・有限会社の会社形態及び個人事業者と定義されています。この列挙に含まれない一般社団法人・NPO法人・公益法人・医療法人等は、原則として対象外になると考えられます。該当する法人格での申請をご検討の場合は、申請前に事務局へ個別にご確認いただくことをお勧めします。
3. 申請要件
申請にあたっては、次の7つの要件をすべて満たす必要があります(要件の一部は業種ごとの資本金・従業員数基準など詳細な定めがあります)。
1. 都内の中小企業者であり、大企業が実質的に経営に参画していないこと
2. 申請受付開始日時点で、法人は本店(実施場所が都内の場合は支店可)の登記が都内にあること、個人事業者は納税地が都内にあること
3. 直近決算期の営業利益率が前期より減少している、次期決算期の営業利益率が減少見込みである、または直近決算期に営業損失を計上していること
4. 申請内容が、自社が所有・賃借する事業所等で実施され、実施場所に応じた登記要件を満たすこと
5. 申請に必要な書類をすべて提出できること
6. 本事業の第1回募集に申請中でないこと
7. 助成対象経費の重複受給がないことなど、その他の遵守事項(暴力団排除条例、風俗関連業でないこと等)を満たすこと
※要件(3)の「次期決算期の見込み」で申請する場合は、直近決算期後の月次試算表を用いた売上高・営業利益の年換算計算が必要です。
4. 対象となる経費区分
助成対象経費は、事業実施に必要最小限度の経費のうち、公社の審査で認められたものに限られます。主な経費区分は次のとおりです。
・ 原材料・副資材費
・ 機械装置・工具器具費
・ 機器・システム改良費
・ 委託・外注費
・ 設備等導入費
・ システム等導入費
・ 専門家指導費(単独申請不可)
・ 販路開拓経費(上限500万円):自社Webサイト制作・改修費、印刷物製作費、PR動画製作費、広告費、出展小間料、資材費、輸送費、通訳費、オンライン出展基本料、ECサイト出店初期登録料 等
・ その他経費(上限100万円、単独申請不可)
税抜5万円未満の経費や、単価30万円以上の経費に必要な見積書、100万円以上の経費に必要な相見積(2社以上)など、経費区分ごとに細かい対象・対象外の条件が定められています。特に、親会社・子会社・グループ会社など関連会社との取引や、再委託が行われている場合は対象外となる点にご注意ください。
5. 申請から助成金交付までの流れ
申請は、デジタル庁が運営する電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を通じてのみ受け付けられます。申請にはGビズID(プライムアカウント)が必要となるため、早めの準備が推奨されます。
1. 申請書類の提出(jGrants、令和8年9月1日14時~9月30日16時)
2. 書類審査(専門家による審査、令和8年10月~)
3. 面接審査(対象事業者のみ、令和8年11月下旬~12月上旬)
4. 交付決定(令和8年12月25日予定、100万円以下は11月30日予定)
5. 助成事業の実施(交付決定日から最大1年間、契約・実施・支払を完了)
6. 実績報告書の提出(事業完了後、原則1か月以内)
7. 完了検査・助成金交付額の確定
8. 助成金請求書の提出・助成金の受領
※行政書士等の専門家がjGrants上の「代理申請機能」を用いて申請書類の作成を代行することができます(申請の最終確認・提出は申請者ご自身が行う必要があります)。
6. 申請にあたっての留意点
・ 1事業者につき1度のみ交付決定を受けられます(不採択の場合、11月予定の第3回募集で再申請可)
・ 助成金交付申請額が100万円以下の場合を除き、面接審査があります
・ 交付決定前に発注・契約した経費は助成対象外です
・ 経費の支払いは原則、助成事業者名義の口座からの振込払いに限られます(現金・クレジットカード払いは条件付きで対象)
・ 交付決定を受けても、助成金の交付・最終的な交付額を保証するものではなく、完了検査の結果、交付決定額から減額される場合があります
まとめ
本事業は、原材料価格の高騰による収益悪化に直面する都内中小企業にとって、設備投資やシステム導入を後押しする貴重な機会です。一方で、申請要件の確認、事業計画書の作成、経費区分ごとの対象・対象外の見極め、必要書類の収集など、準備すべき事項は多岐にわたります。
当事務所では、行政書士・社会保険労務士として、助成金の申請要件の確認から事業計画書の作成支援、必要書類の整理まで一貫してサポートしております。申請をご検討の際は、受付期間終了間際にならないよう、お早めにご相談ください。
最新の詳細(申請要件の細目、必要書類の様式、募集要項全文)は東京都中小企業振興公社の公式ページでもご確認いただけます。



