障害者雇用納付金制度とは?申告・申請手続きの流れを詳しく解説|東京都葛飾区の会社設立・許認可申請・労務の事なら岩元事務所にご相談ください

岩元事務所

  • ご相談・ご依頼はお気軽にどうぞ

    0336085421

    [受付時間]9:00~18:00

  • 無料メール相談

トピックス

障害者雇用納付金制度とは?申告・申請手続きの流れを詳しく解説

お知らせ 

常用労働者数が100人を超える企業は、法律で定められた障害者雇用率(法定雇用率)を達成する義務があります。法定雇用率に不足がある場合、その分の「障害者雇用納付金」を納付しなければなりません。一方、法定雇用率を超えて障害者を雇用している企業は「調整金」や「報奨金」の支給を受けることができます。

本記事では、障害者雇用納付金制度の概要から、申告・申請の具体的な手続きまでを社会保険労務士の視点から詳しく解説します。

 

1. 障害者雇用納付金制度の概要

障害者雇用納付金制度は、「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」に基づく制度で、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営しています。

この制度は、障害者を雇用するためのコスト(設備投資や雇用管理など)の負担を事業主間で均等化し、障害者雇用を促進することを目的としています。

 

法定雇用率(2024年4月現在)

事業主の区分 法定雇用率
民間企業 2.5%(2026年7月より2.7%)
国・地方公共団体等 2.8%(2026年7月より3.0%)
都道府県等の教育委員会 2.7%(2026年7月より2.9%)

 

※ 2024年4月に2.3%から2.5%へ引き上げられ、さらに2026年7月から2.7%へ段階的に引き上げられる予定です。

 

2. 申告・申請が必要な事業主

(1)納付金の申告義務がある事業主

以下のいずれかに該当する事業主は、毎年4月に申告が必要です。

  • 常用労働者数が100人を超える事業主(100人超の月が1か月以上ある場合)
  • 上記に加え、法定雇用率を下回っている月がある事業主

 

※ 常用労働者数が100人以下の事業主は申告義務はありませんが、報奨金の申請は可能です(後述)。

 

(2)調整金・報奨金の申請ができる事業主

支給の種類 対象となる事業主
調整金 常用労働者数が100人を超え、法定雇用率を超えて障害者を雇用している事業主
報奨金 常用労働者数が100人以下で、一定数以上の障害者を雇用している事業主

 

3. 納付金・調整金・報奨金の計算方法

(1)納付金の計算

納付金は、法定雇用障害者数に対して不足している障害者1人につき月額5万円(2023年度以前は月額5万円)が課されます。

 

納付金の計算式
不足障害者数 × 50,000円 × 対象月数 = 年間納付金額
例)不足数が毎月1人の場合:1人 × 50,000円 × 12か月 = 600,000円

 

(2)調整金の計算

調整金は、超過雇用している障害者1人につき月額2万7,000円が支給されます(重度障害者はダブルカウント)。

 

調整金の計算式
超過障害者数 × 27,000円 × 対象月数 = 年間調整金額
例)超過数が毎月1人の場合:1人 × 27,000円 × 12か月 = 324,000円

 

(3)報奨金の計算(常用労働者100人以下)

常用労働者数が100人以下の事業主が一定数以上の障害者を雇用した場合、障害者1人あたり月額2万1,000円が支給されます。

 

4. 申告・申請手続きの流れ

申告・申請のスケジュール

時期 手続き内容
1月1日〜12月31日 対象期間(前年の雇用状況を集計する)
翌年4月1日〜5月15日 申告書・申請書の提出期間
5月15日まで 提出期限(郵送・電子申請ともに当日消印有効)
7月頃 納付金の納付通知書が届く(納付義務がある場合)
10月頃 調整金・報奨金の支給(申請が認められた場合)

 

申告・申請の手順

STEP 1:雇用状況の集計

前年1月1日から12月31日までの各月の常用労働者数と障害者雇用数を集計します。算定の基準日は各月の初日です。

  • 常用労働者(週30時間以上)のカウント
  • 短時間労働者(週20〜30時間)は0.5人としてカウント
  • 重度障害者は2人としてカウント(ダブルカウント)
  • 重度障害者の短時間労働者は1人としてカウント

 

STEP 2:申告書・申請書の作成

JEEDのホームページから「障害者雇用納付金申告書」をダウンロードし、必要事項を記入します。電子申請システム「eJEN(イーエン)」を利用することも可能です。

 

主な提出書類
① 障害者雇用納付金申告書(申告義務がある事業主)
② 調整金支給申請書(超過雇用している場合)
③ 報奨金支給申請書(常用労働者100人以下で要件を満たす場合)
④ 障害者雇用状況報告書(任意添付、確認用)

 

STEP 3:提出先と提出方法

申告書・申請書は、事業主の主たる事業所(本社)の所在地を管轄するJEEDの各都道府県支部(高齢・障害者業務課)に提出します。

  • 郵送による提出(提出期限の消印有効)
  • 電子申請システム「eJEN」によるオンライン提出
  • 窓口への持参(要事前確認)

 

※ 複数の都道府県に事業所がある場合でも、提出先は本社所在地のJEED支部1か所です。

 

STEP 4:納付金の納付

申告書提出後、JEEDから納付書が送付されます。金融機関の窓口または電子納付(Pay-easy等)で納付します。

  • 納付期限は通知書に記載された期日(通常7〜8月頃)
  • 口座振替を利用することも可能

 

5. 申告時の注意点とよくあるミス

労働者数のカウントミス

短時間労働者(週20〜30時間未満の者は除外、週20〜30時間の者は0.5カウント)のカウントを誤るケースが多くあります。特にパート・アルバイトが多い事業所では注意が必要です。

障害者手帳の確認不足

障害者雇用のカウントに算入するためには、障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)の確認が必要です。毎年の更新確認も忘れずに行いましょう。

申告を失念するケース

納付金が発生しない(法定雇用率を上回っている)場合でも、常用労働者数が100人超の事業主は申告が義務付けられています。申告義務を忘れないよう社内で管理することが大切です。

電子申請(eJEN)の事前登録

電子申請を利用する場合は、事前にJEEDへの利用登録が必要です。初めて利用する場合は申告期間前に余裕を持って登録手続きを行いましょう。

 

6. 障害者雇用に関連する助成金・支援制度

納付金制度の財源を活用し、JEEDでは障害者を雇用する事業主向けに各種助成金・支援サービスを提供しています。

 

助成金・制度名 概要
障害者作業施設設置等助成金 障害者が作業を行うための施設・設備設置に要した費用を助成
障害者福祉施設設置等助成金 障害者のための福祉施設・設備設置に要した費用を助成
障害者介助等助成金 障害者の介助者配置・委嘱に要した費用を助成
職場適応援助者助成金(ジョブコーチ) 職場適応援助者(ジョブコーチ)の配置費用を助成
精神障害者等雇用安定奨励金 精神障害者等の雇用を安定させるための措置を講じた場合に支給

 

※ 助成金の内容・要件は変更される場合があります。最新情報はJEED(https://www.jeed.go.jp)または当事務所までご確認ください。

 

まとめ

障害者雇用納付金の申告・申請手続きは、毎年4月に実施する重要な法定手続きです。以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 常用労働者数が100人超の事業主は、法定雇用率の達成状況にかかわらず申告義務がある
  • 法定雇用率に不足がある場合、不足1人あたり月額5万円の納付金が発生する
  • 法定雇用率を超えて雇用している場合は調整金(月額2万7千円/人)の支給申請ができる
  • 申告・申請期限は毎年5月15日
  • 電子申請システム「eJEN」を活用すると手続きが効率化できる

 

障害者雇用の管理や申告手続きについてご不明な点がございましたら、ぜひ当事務所にご相談ください。障害者雇用に精通した社会保険労務士が、貴社の状況に合わせたアドバイスを提供します。

ページトップへ戻る