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【東京都】申請期限は4月!「介護職員賃上げ・職場環境改善支援事業」

お知らせ 

長引く物価高騰と深刻な人材不足の中、介護現場を守るための新たな国の施策「医療・介護等支援パッケージ」。その核心となる「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」について、令和8年2月2日、東京都より具体的な実施要綱と申請スケジュールが公表されました。
本事業は、令和8年度の介護報酬改定を待たずに、緊急的に人材流出を防ぐことを目的とした重要な施策です。しかし、東京都における申請スケジュールは非常にタイトであり、また従来の処遇改善加算とは異なるルールも存在します。
本記事では、東京都の公表資料および厚生労働省のQ&Aに基づき、事業者が「今、何をすべきか」を2000文字以上で詳しく解説します。

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1. 支援事業の概要:3つの補助メニューをおさらい
まず、本事業の全体像を確認しましょう。この支援は、令和7年12月から令和8年5月までの期間を対象に、以下の3つの区分で賃上げや環境改善を支援するものです。
① 介護従事者に対する幅広い賃上げ支援(月額10,000円相当)
処遇改善加算を取得している事業所(または見込み)が対象です。介護職員だけでなく、看護師、ケアマネジャー、事務職員など、介護サービス事業所で働く幅広い職種を対象に配分することが可能です。
② 生産性向上・協働化に取り組む事業所への上乗せ(月額5,000円相当)
以下のいずれかの要件を満たす場合、①に上乗せして支給されます。
• 訪問・通所系等: 「ケアプランデータ連携システム」に加入していること(または見込み)。
• 施設・居住系等: 「生産性向上推進体制加算(ⅠまたはⅡ)」を算定していること(または見込み)。
③ 職場環境改善の支援(月額4,000円相当)
介護助手等の採用経費や、職場環境改善のための研修費などに充てることができます。また、これを賃金改善(給与アップ)に充当することも認められています。
つまり、フル活用すれば月額最大1.9万円相当の支援を受けることが可能です。これは職員の離職防止やモチベーションアップに直結する金額ですので、確実に申請を行う必要があります。

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2. 東京都における申請スケジュールと手続き【最重要】
東京都の事業者は、国の大枠だけでなく、都が定めた以下のルールに従う必要があります。特に締切が非常に早いため、注意が必要です。
(1)申請期限は「4月上旬」の2回チャンスのみ
東京都の計画書受付開始は、国の補正予算成立後の令和8年3月中旬頃を予定していますが、締切日はすでに以下のように設定されています。
• 【第1回締切】 令和8年4月5日(日曜日)
◦ 交付(支払)予定:5月下旬
• 【第2回締切】 令和8年4月15日(水曜日)
◦ 交付(支払)予定:6月下旬
申請は1回限りです。4月15日を過ぎると申請できなくなる可能性があるため、3月中には準備を完了させておく必要があります。
(2)申請先は「すべて東京都」
通常、地域密着型サービスや総合事業の処遇改善加算計画書は区市町村へ提出しますが、本補助金に関しては、すべてのサービス種別において「東京都」が提出先となります。 特に八王子市内の事業所についても、本補助金に関しては東京都へ提出することと明記されています。提出先を間違えないようご注意ください。
(3)提出方法は「専用フォーム」のみ
郵送や持参、PDFでの提出は不可とされています。東京都福祉局のウェブサイトに開設される専用フォームから、指定のエクセルファイルをアップロードする形式となります。

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3. 実務担当者が注意すべき「落とし穴」
今回の支援事業には、いくつか誤解しやすい点や、従来の加算とは異なる運用ルールがあります。
① 「パソコン・タブレット購入」は対象外
「職場環境改善経費(上記③)」の使い道について、多くの相談が寄せられていますが、厚生労働省のQ&Aでは明確に「PC端末等の機器の購入費用は対象経費として適当ではない」と示されました。 ICT機器や介護ロボットの購入は、別途実施されている「介護テクノロジー導入支援事業」などの対象となるため、本補助金で購入してしまわないよう経理処理には十分注意してください。本補助金の対象となるのは、あくまで「介護助手の募集経費」や「研修費」、「外部専門家の派遣費用」などです。
② 基準月は「令和7年12月」だが例外あり
補助額の算出根拠となる「基準月」は、原則として令和7年12月です。しかし、感染症の蔓延や大規模改修などで12月の報酬が著しく低かった場合や、令和8年1月~3月に新規開設した事業所については、特例として1月~3月の任意の月を基準月とすることが認められています。この場合、東京都への事前の届出は不要とされています。
③ 賃金改善の実施時期とキャッシュフロー
補助金の支払いは早くて5月下旬ですが、賃金改善(職員への支給)は、実績報告書の提出期限までに行う必要があります。 「令和7年12月からの賃上げ」という名目ですが、実務上は、補助金が入金される前に法人資金で先行して支払うか、一時金としてまとめて支給するかを検討する必要があります。ただし、都の通知には「賃金改善は可能な限り速やかに実施していただきたい」とあります。人材流出防止という目的を考えれば、早めの支給アナウンスや実施が望ましいでしょう。

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4. 「生産性向上・協働化」要件のクリアに向けて
月額5,000円の上乗せ(上記②)を受けるための要件について、東京都では特に「ケアプランデータ連携システム」の活用を推奨しています。
ケアプランデータ連携システムの導入(訪問・通所・居宅介護支援等)
まだ導入していない事業所でも、申請時に「導入見込み」として誓約すれば要件を満たすことができます(実績報告時までに導入が必要)。 東京都は、このシステムの導入に関して、国民健康保険中央会の助成金やキャンペーンの活用を案内しています。システムの導入は、事務負担の軽減だけでなく、今回のような補助金要件になるケースが増えているため、この機会に導入を決断することをお勧めします。導入を証明する資料として、**「撮影時点がわかる形でのスクリーンショット」**の保存(2年間)が求められる点も忘れないでください。

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5. 社会保険労務士からのアドバイス:今すぐやるべきこと
4月の申請期限に向けて、事業所の皆様が今すぐ着手すべきアクションプランをまとめました。
1. 就業規則(賃金規程)の確認と改定準備
◦ 今回の補助金を「ベースアップ(基本給)」で支払うのか、「手当」で支払うのか、「一時金」で支払うのかを決定し、必要に応じて賃金規程を変更するか、労使協定を締結して周知する必要があります。補助金が終了した後の給与水準をどうするかについても、職員への説明が必要です。
2. 対象職員のシミュレーション
◦ 「幅広い職種」に配分可能ですが、誰にいくら配分するかは事業所の裁量に委ねられています。ただし、「特定の職員に集中させる」「職務内容に見合わない偏った配分」は禁止されています。公平感を保ちつつ、人材確保に効果的な配分案を策定しましょう。
3. 「ケアプランデータ連携システム」等の検討
◦ 上乗せ5,000円を取得するかどうかで、半年間で職員一人あたり3万円の差が出ます。要件を満たせるか、今すぐベンダーへの確認や社内検討を行ってください。
4. 東京都の専用ページをブックマーク
◦ 申請フォームはまだ公開されていません(3月中旬公開予定)。東京都福祉局の特設ページを定期的にチェックし、公開と同時に作業に入れるよう準備しておきましょう。
最後に
今回の「賃上げ・職場環境改善支援事業」は、スピード勝負です。東京都の締切(4月5日・15日)に遅れると、せっかくの支援金を受け取ることができません。
当事務所では、本補助金の計画書作成支援はもちろん、要件となる就業規則の改定、生産性向上要件のクリアに向けたアドバイス、そして実績報告までをトータルでサポートしております。 「自社がどの区分に該当するかわからない」「賃金規程をどう変えればいいか不安だ」という経営者様は、ぜひお早めにご相談ください。制度を最大限に活用し、大切な職員を守るための体制を共に整えていきましょう。

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(注) 本記事は令和8年2月時点の情報を基に作成しています。最新情報は必ず東京都福祉局のホームページをご確認ください。

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